法人営業部の植です。今回も引続きカーペットの豆知識VOL.5として、カーペットについて豆知識をご案内いたします。
前回までは、様々なタイプのカーペットを織り方や工程の違いを混じえてご紹介をしました。今回は、カーペット最終回として糸の持つ機能や性能について書いてみたいと思います。
・意外と知らない!? カーペットの豆知識 VOL.1
・『アキスミンスターカーペットとウィルトンカーペットについて』カーペットの豆知識 VOL.2
・『タフトカーペット・タイルカーペットについて』カーペットの豆知識 VOL.3
・『HT(ハンドタフト)カーペットについて』カーペットの豆知識 VOL.4
天然素材編
なぜカーペットにはウール素材が適しているのでしょうか? その理由は「カーペットに必要な性能がすでにウール素材に備わっているから」です。
ということでウール素材の優れた性能をご紹介します。
ウール素材の性能その1
防炎機能
燃えにくい。但し、航空機・列車・船舶等の特殊用途の場合は、ザプロ加工という防炎加工を別途行います。
ウール素材の性能その2
空気の浄化作用
空気をきれいにするフィルターの役目があります。
ウール素材の性能その3
調湿機能
湿気の多いときは吸水し、乾燥しているときは排水をします。
ウール素材の性能その4
保温機能
空気を多く抱え込む性質。
ウール素材の性能その5
弾力性と耐久性
空気を多く抱え込む性質上、復元力が優れています。
ウール素材の性能その6
静電性
ほこりやチリなどを舞い上がりにくします。
但し、用途によって、静電性を高めるために制電防止剤を多く入れるケースがあります。
ウール素材の性能その7
染色性
空気の層が多くあるため、染料が染まりやすい。
ウール素材の性能その8
天然素材
羊の毛の心地よさ。
ウール素材の性能その9
量産性
工場での量産設備が整っていて、ワタから糸(多種の番手)になる工程が確立されている。
ウール素材の性能その10
他の繊維に比べ、お手入れがしやすい。
やはり床にはウール素材!?
ウールは縮れの多いクリンプ構造のため、繊維の間に大量の空気を含み、この空気層が断熱材の役割を果たします。
また、ウールの表皮はウロコのように重なり合っており、この表皮がまわりの湿度に応じて湿気を吸収・放出します。このため、ウールは「呼吸する繊維」といわれ、お部屋を常に快適な状態に保ってくれます。
よって、ウールカーペットはそれなりの価格はしますが、選ばれる理由があり、人間の生活に最も適した床材なのではでしようか。
ちなみに、その他の天然素材として、シルク・麻・綿・竹・い草・籐があります。
化学繊維編
重歩行等の用途のカーペット素材は、ナイロン・ポリプロピレンが多いのですが、それはなぜでしょう?
答えは「ナイロン・ポリプロピレンは、長繊維なので天然素材に比べ遊び毛が出ないから」です。
また、石油系の材料からできているため摩耗耐久性に優れているので、商業施設等の人が多く集う所に適しています。加えて防炎や静電防止等の機能が付いているので使い勝手が良いです。
その他の化学繊維(紡績糸)としてレーヨン(シルクライク)・アクリル(ウールライク)等があります。